石垣島の旅13 ~蟹への執着~


若かりし頃、中学高時代の友人と女二人旅でハワイに行き、ディナークルーズを申し込み、そこで、ロブスターの味が忘れられず、南の島に行くと、必ず、ロブスターを頼みたい衝動に駆られました。それ以来、南の島に赴くたびに、ロブスターを頼みますが、一番最初の感動はなかなか得ることができませんでした。そして、10年前、グアムに行ったとき、マングローブ蟹に出会いました。その時、たまたまロブスターがなかったのかもしれません。そのマングローブ蟹のおいしいこと。あまりにもおいしかったので、次の日もそのレストランに行きました。すると、その日は空の天候の加減で空輸されず、マングローブ蟹が食べられなかったのです。空輸って、ここでとれるんじゃないのかと思いました。わざわざ行ったのに食べられなかった思いがずっと、私の心に残っておりました。それからも南の島に行ったときには必ずおいしい蟹に出会いたいと思い続けていたのです。そして、昨日、マングローブ蟹があるかもしれないという情報を入手し、今、まさに10年ぶりに出会える時がやってきました。

吹きガラス体験の場所から10分ほどで、その場所につきました。
大きな敷地に古民家風の建物が立っています。
中に入ると、30席ほどある大きなお食事処でした。お昼過ぎに到着しましたが、お客は一組だけでした。私には好都合、家族連れの中で食べなくてもいいのですから。窓際の席に案内され、いよいよマングローブちゃんとご対面です。
メニューを見ると、昨夜おいしすぎた牛あぶりずしがありました。それも頼んで、地ビールも頼み準備万端でした。
しばらくして、マングローブ蟹が私の目の前にやってきました。
お久しぶりです。お会いしとうございました。
しかし、残念ながら、10年前の感動は得られませんでした。
ロブスターの時もそうでしたが、一番最初の感動を味わいたいと思っても、なかなかもう一度同じ感動が得られるのは難しいですね。
その点、肉の場合は、同じ感動を味わえる確率が高いような気がします。
海鮮類は、味が安定するということはないのでしょう。
同じ感動は得られませんでしたが、私は一匹を平らげるべく、黙々と、一人なので、黙々と食べるしかないですが、食べておりましたら、なななんと、そこに一組の男女がやってきたのでした。そして、店員さんは何を思ったのか、こんなにだだっ広いお店なのに、私の隣の席に男女を案内したのです。
うそやん。こんなに広いやん。どこでもいいやん。なんでとなりなん。
その男女も、同じことを思っていたかもしれません。
特にその席が眺めがいいというわけでもないのに。

男女はメニューを見て、何を頼むか検討しています。
自分が食べるものを、相手と一緒に選ぶなんてことするんやなぁとほほえましく、男女の会話を聞きながら、手はマングローブ蟹の身をとる作業を続けておりました。私も、今度うまれてきたときは、自分が食べるものを相手と一緒に選ぶような人生にしようと思っておりました。普通に会話するっていいよなぁ。私、そんな特別なこと求めていたわけではないよなぁ。これが普通よなぁと私とは全く別世界の男女の会話を聞いておりました。
そして、きっと、この男女は、この店を出るとき、いえ、私がこの席を離れたとたん、こんな会話をするのでしょう。
『あの人、一人でたべてはったなぁ(関西人かは、わかりませんが)一人で蟹一匹とビールやで。ひとりで、石垣にきはったんかなぁ?ああいう風にはなりたくないなぁ』
この男女が後にするであろう会話が簡単に想像できました。二人の石垣島の旅の面白エピソードの一つになったのではないでしょうか。
できれば一番離れた席にしてもらいたかったと思いながら、マングローブ蟹をすべて腹に収め、お食事終了となりました。そして、私は、お店からタクシーを呼んでもらうことにしました。

この後、何をするか特に決めていませんでした。
竹富島に、ぜひ行きたいと思っていたわけでもなかったのですが、このあと現れたタクシーのおじさまとの出会いが、私を次の世界へと導いてくれることになりました。

つづく。

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